一般的に呼ばれています大腸カメラは、下部消化管内視鏡検査のことです。この検査では、内視鏡を肛門から挿入し、大腸(結腸と直腸)の内側と小腸の一部内側を観察していきます。
大腸カメラは粘膜を直接観察できるため、腹痛・便潜血・下痢・便秘・血便などの原因となる大腸ポリープや炎症性腸疾患、そして年間8万人以上が罹患し、がんの部位別では第2位になっている大腸がんを正確に診断できます。
便潜血検査や採血での腫瘍マーカー値、注腸X線検査といった従来の大腸検査では見つけることが難しかった早期発見が大腸カメラ検査では可能です。そのため、近年では大腸がんの予防と早期発見に積極的な大腸カメラ検査が推奨されています。
生検やポリープ切除も可能です
また、下部内視鏡検査によりポリープやがんなどが疑われる病変が見つかった場合、内視鏡による細胞の採取(生検:ごく小さい組織片を摘まみ出し、顕微鏡などで詳しく調べること)や、ポリープを切除することも可能です。
なお早期のがんであれば、このような内視鏡的な手術で済むことが多いので、これまで腸には何の症状も起きたことがないという方も検査を行ってみてください。
とくに50歳代になると大腸がんを発症する方は増加しますので、50歳前後になられたら、一度受けられることをお勧めします。
大腸カメラを受けた方が望ましいとされる方の症状
- 血便
- 便通異常(便秘・下痢)
- 腹痛、腹部膨満感
- 貧血を指摘されている
- 顔色が悪いと言われる
- 急激な体重の減少
- 便潜血反応で「陽性」と出た
- 大腸ポリープや大腸がんを治療した経験がある
- 大腸がんになった家族のいる方 など
下部内視鏡による検査・診断が有効とされる主な疾患
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患
- 大腸憩室症(腸管の内壁の一部が外側に向かって袋状に飛び出した状態)
- 虚血性腸炎(大腸の血流障害によって大腸粘膜に炎症や潰瘍が生じ、突然の腹痛や下痢、下血をきたす疾患) など
当院での大腸カメラ検査の特長
- 検査希望日を事前にご予約できます
- 鎮静剤を使い痛みを抑えて検査を行います
- ポリープ切除、生検も可能です
- 土曜日も検査も可能です
検査を受ける際の注意点
まず日時を決定(予約)します。検査ご希望日がございましたらお電話でご予約もできます。
その際は検査前日までにご来院いただき、診察と検査の説明を受けていただきます。
事前に採血や同意書への記入が行われることがあります。
なお検査前には消化管の中をきれいにしておく必要がありますので、下剤を服用します。
検査日が決まりましたら、食事内容や下剤の服用方法について説明させていただきます。
検査日前日以降の注意点は以下の通りです。
検査前日
- ひじき、わかめ、こんにゃく、きのこ類など繊維質の多い食品、またイチゴやキウイなど種子の多い食品は、検査2日前から控えるようにしてください。
- 夕食は午後8時頃までに、消化の良いものを軽めに摂り、早めに就寝するようにしてください。
検査当日
- 検査が終わるまで、飲食・服薬は禁止です。
- タバコは吸わないでください。
- 自動車やバイク、自転車などを自分で運転してのご来院は控えてください。
当クリニックに着いてから
ご自宅で検査用の下剤を飲んできていただき、腸がきれいになった状態できて頂きます。
検査用下剤の内服方法は事前に丁寧にご説明致します。
検査当日の大腸カメラの大まかな流れは以下の通りです。
- 1. 検査開始
- 左側を下にしてベッドに横になり、肛門から内視鏡を挿入して検査が始まります。
※鎮静剤をご希望の方は、鎮静剤を注射してから検査を行います。 - 2. 大腸内部を観察
- 大腸の内部を観察し、必要があれば組織を採取したりポリープを切除したりします。
- 3. 検査終了
- ポリープ切除が必要と判断した場合は、病変の状況に応じて時間を要します。
検査後の注意点について
- 通常、飲食は検査後から可能です。
- 検査当日のお風呂はシャワー程度にし、車の運転や強度の運動は避けてください。
- 検査終了後、気になる症状がある場合は、すぐに医師にご相談ください。